プロローグ
「どうやらこれは神ゲーらしい」
私はそんな軽い気持ちでこのゲームを手に取った。
タイトルは『UNDERTALE』。 ジャンルはRPGだそうだ。
このゲームは個人で製作した、 いわゆるインディーゲームというものらしい。
自分も一応個人でゲームを製作している身なので、 その点からもどんなものか気になるところである。
さてと、始めますか…
第一章 始まり
気が付くとそこは暗闇に包まれていた。
ここは一体どこなのだろうか…?
何も分からないまま歩いていると突然花が生えてきて、こちらに話しかけてきた。
「この世界は殺すか殺されるか、だ」
もっと分からなくなった。
次に、優しそうなケモノがやって来てこう告げた。
「いい?暴力をふるっては絶対にダメよ」
人によって主張がバラバラだ。
私は考えるのをやめた。
第二章 驚き
敵が現れた。
私は早速戦闘準備に入った。
するとどうだろう、 私の体から魂が飛び出して、まるで「シューティング」のような世界に切り替わったではないか!
私の身に衝撃が走った。
これは「RPGである」という世界のしきたりを覆しかねない事だ。
私は今まで、勝手に「世界のしきたりには従わなければいけない」という暗黙のルールがあるものだと思っていた。
…しかし、「面白い世界を作る」という事にそんなルールなど無かったのだ。
第三章 理解
私はいつの間にかこの世界にのめり込んでいた。
最初は何もかもが謎に包まれていたが、
時の経過とともにそれが紐解けていった。
幾多の困難や犠牲を乗り越えて、
遂にこの世界が終末を迎えようとしていた。
その時、私はこの世界を理解した。
全てが一つにつながったのだ。
そして、遂に世界は終末を迎えた。
するとどうだろう、
「もう一度やり直したい」
そんな気持ちが押し寄せた。
私の冒険はまだ終わっていない。
第四章 感動
私はこの世界を1からやり直すことにした。
最初は訳が分からなかった登場人物たちの言動にも全て納得がいく。
…それに、二周目となると一周目には気に留めなかったことに注意を向ける余裕ができる。
一つは音楽だ。
この世界で流れている音楽は 主旋律が細かく揺れたり、ピッチベンドが多用されていたり、と 引き立て役にしては少々主張が強い気がする。
だが、それで違和感を覚える等といったことは全くない。
むしろ、情景と調和していて心地が良く、 確実にこの世界をより魅力的なものにしている。
このように器用に世界を纏められるのは、 創造主自らが作曲も手掛けているからに違いない。
もう一つが絵だ。
この世界の絵は正直なところ、個々で見ると少し荒い。
…だが、この特徴こそが全体的に見たときにあの独特な雰囲気を生み出しているのだ。
絵においてより大事なのは上手さではなく、
全体的な統一感なのかもしれない。
…そんな新な気付きを得ながら、私はこの世界における理想の最期を見届けるために全力を尽くした。
仲間と共に笑い、驚き、時には拳を交える事さえあり、
いつしか絆は確固たるものとなった。
私は長い戦いの末、この世界を攻略したようだ。
予想を裏切る波乱の展開が押し寄せ、
なおかつ、感動の最期を迎えた。
私は、創造主に最大限の敬意を表しつつ、
ぬくもりにあふれたこの世界に別れを告げた。
エピローグ
私の冒険は終わったようだ。
自分の選択が世界の結末に反映され…
いや、待てよ…
自分の選択が世界の命運を分けるなら、まだ見ていない結末があるのでは…?
私はこれまで、この世界を幸せへと導くような選択をしてきた。
…しかし、それができるならその逆もできるのではないだろうか。
私はまだ見ぬ結末を想像し戦慄した。
その時、私の中の悪魔が囁いた。
「 ブ チ 壊 そ う ぜ 」
私は強いケツイを胸に、再びスタートボタンに手を伸ばしたのだった。
~完~
あとがき
夏休みに遊んだゲームの感想を物語っぽく書こうとしたら、
こんなものが出来上がってしまいました。
夢中になった感やゲームの奥深さは伝わりましたでしょうか?
未プレイの方は是非遊んでみてください!
オススメです!